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THE LAST BEATLES SONG [ロック]

ビートルズの最後のシングル「NOW AND THEN」を聴いた。


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すでにジョンとジョージがいない現状で、最新の技術を駆使してビートルズの4人で作った最後のシングルということだった。


シングル発売日と同時にすぐにストリーミングで聴いたのだが、自分的にはなかなか微妙な印象ですぐにはインプレッションを書く気力がわかなかった。


少し寝かせておこうと思った。


同時にリリースされた「ミュージックビデオ」と「制作ドキュメンタリー」もDisney+で拝見した。


もともとの発端は1995年に、ポールとジョージとリンゴが集まり、ジョンがいないけど、またビートルズとして新曲をレコーディングできないか、という企画を立てたときのことだった。


ジョンはいないけど、まずはヨーコに電話してみたら、ジョンが作っていた新曲のデモテープがあるわ、という話で急激に話が展開し始めたとのことだった。


ジョンの息子のショーンがインタビューで、お父さんはあの頃は家事に専念し、仕事はしていなかったけど、いつも音楽を演奏していて、曲も作っていてはカセットテープに録音していた。


そのときのデモテープがこれだ。NOW AND THEN。


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これをうまく使って、ポールとジョージとリンゴが加わり、4人で参加した曲にできないか、ということで頑張ったらしい。


でも当時はいまほど技術が発達していなくて、ジョンの声を抜き出すことが困難だった。ジョンの声とピアノの音を分離するには、ピアノが聞き取りにくかった。


それでもいろいろ検討に検討を重ねたんだが、結局ギブアップ。これはこのままで寝かしておこう、ということになった。


2001年にはジョージも逝ってしまった。


そしてビートルズの映画「Get Back」のときに、AIを使って、楽曲から音を抜き出す技術をチームが開発してGetBackはそれで大成功を収めた。


これがあのジョンのデモテープに使えないか?

あのときも結局、ジョンの声をきちんと抜き出せなくて諦めた。


いまならできる!


1995年から2023年。

まさに28年ぶりのリベンジである。

ジョンがこの曲を作ってから50年余の奇跡である。


そうやって、ジョンの未発表曲のデモテープを使って、ジョンの声を抜き出して、ビートルズ4人でその曲を完成させられないか。。。でもいまはジョージもいない。


GetBackのときのAI分離技術を使うと、もう綺麗にジョンの声を抜き出せる。まるで、そこでジョンが歌っているみたいだ。


ポールは「ジョンのクリスタルクリアな声だ」「これをミックスしてレコーディングできるようになった」。


これにすぐにポールがベースラインを加えた。ベースラインはこのようにしたほうがいい、とすぐ思ってベースを加えた。


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いま現在のポールがである。


リンゴもドラムで参加している。


新曲にはハリソンのギターのようなソロも入っているが、これは1995年に録音したハリソンのギターソロをベースにポールが弾いているものだ。ジョージは2001年に亡くなった。


とにかく綺麗に抜き出されたジョンの声をもとに、ポール、ジョージ(ポールが代役)、リンゴがそれぞれの自分のパート、そして自分達のコーラスをミックスして完成したのが、今回のビートルズの最後のシングル NOW AND THENという訳だ。


まさにビートルズ4人で作った曲である。


ジョンの息子、ショーン・レノンは動画で、「父も喜んでいるでしょう。実験的な録音技術を試すことに積極的でしたから」と語った。


1970年に解散したビートルズだが、その後も未発表の「新曲」がリリースされており、今回は「リアル・ラヴ」以来27年ぶりとなる。ジョン・レノン(80年に死去)が残した音源から、ポールとリンゴが完成させた。ジョージ・ハリスン(2001年死去)のギター演奏も入っているという。




申し訳ない。Disney+のプロモビデオ「制作ドキュメンタリー」の12分のストーリーを書いちまった。(笑)


ミュージックビデオは、とても感傷的に、若い頃の4人といま現在のポールとリンゴ、そして1995年のときに集まったポール、ジョージ、リンゴの3人というこの3パターンの画像を曲に合わせてシームレスにうまくつなぎ込み感動の出来上がりとなっている。


4人でこの曲を作ったんだ。仕上げたんだ。ということを十分にアピールできる感動的な仕上がりだ。


最初この曲を聴いたときに、自分が日記にすることをいったん躊躇したのは、やはり自分が期待していた驚きの要素があまり感じられなくて、眠っていたデモテープ、陽の目を見なかった曲、それを掘り起こした曲に名曲はなし、というのが通例だからだ。キツイことを言うかもしれないけど。


そこにはヒット曲の方程式には必ずある人の心を一瞬にして鷲掴みするキャッチーなメロディが感じられないし、なによりも驚きがない。


自分の青春時代、ビートルズのレコードに針を落として出てくる音楽は、もう衝撃でしかなく、ひたすら驚きの連続だった。なんてカッコいい音楽なんだろう・・・


希代のメロディメーカーも、全盛期を過ぎると、晩年は、やはりメロディ作りの才能が枯れてしまうものなんだろうな。最近のポールのソロの新作を聴いてみても、どうしてもそういう感覚を抱いてしまう。


メロディメーカーとしての才能は歳とともに枯れてしまうもの。

若いときのようなみんなに驚きを与えるそういうキラーメロディはもう浮かばない。


もうそれは仕方がないことなんじゃないかな。人間は老化していくもの。それは攻められることではない。神様に対して大変失礼な物言いではあるが、自分が幼少時代から神様のように慕ってきたビートルズ、ポールだからこそ、秘かに思っていたそういう悲しい事実がある。


今回の新作、NOW AND THENを聴いたとき、自分にはその考え方の延長線上に聴こえてしまい、う~むと考え込んでしまい、未発表曲に名曲なし。これはこのまま黙っていたほうがいいかな、と思っていた。


でも、やはり制作ドキュメンタリーを見て、状況が変わった。

ジョン、ジョージがいなくなっても、ビートルズ4人で作ったという事実。おそらくビートルズ最後のシングル。


ビートルズは、サージャント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド、いやその前のラバーソウルから実験的な録音、つねに時代時代の最新技術に興味を持ち、技術に前向きなバンドだった。つねに時代の最新の技術を駆使しながら音楽を作り上げていくバンドだった。


そういうビートルズらしいアプローチであったこと。そして自分が驚いたのは、このプロジェクトはなにも最近思いついたことではなく、1995年から考えていたことで、残されたビートルたちの悲願であったこと。


ここに自分は感銘を受けた。この制作ドキュメンタリーを見るまでは、その悲願はまったくわからかった。制作ドキュメンタリーを見る、見ないで、この新曲に聴こえ方がずいぶん違うようになるし、この曲に対する思い入れも違ってくると思う。なによりももっときちんと対峙して聴こうという気になる。もっと真剣になる、というか。


そしていまNOW AND THENを繰り返して聴いているが、お恥ずかしい限りだが、すごくいい曲に聴こえてきた。自分の音楽理解の未熟さだと思うのだが、最初は全然理解できなかったのだけど、徐々にその良さがわかってくるみたいな感じである。1970~1980年代のジョンの曲だから、やはりそれなりのセンスは感じる。まだ経年による枯れたとは言えない輝きは感じる。


なにせ、曲の冒頭からあのジョンの声がはっきり聴こえてくる。まさにジョンの声だ。ロックンロールではなくメロディアスな曲で、その旋律の美しさがようやく自分にも認識できてきた。それがビートルズ4人で作ったものだと思うと尚更だ。自分のふがいなさをひたすら恥じよう。


コーラスを入れるところのハーモニーなんかまさにビートルズだ。


自分はどちらかというと、クラシックでもそうなんだけど初見、初聴の曲は苦手で、すぐに自分のペース、自分の囲いの中に取り込めない不器用さがある。あまり理解能力が遅く、不器用な人間なのだ。


でも聴きに聴き込んで、いまはこのNOW AND THENの素晴らしさはここに断言できる。


まさにジョン、ジョージがいなくても、ビートルズ4人で確かに作った曲であることは一聴瞭然だ。


そういう意味でも制作ドキュメンタリーを見てから、この新曲を聴くことをお薦めしたい。

自分がそのおかげで、この曲の聴こえ方がガラ変したのと同じように。。。



 ビートルズの最後の「新曲」として発売された「ナウ・アンド・ゼン」が全英チャートで1位を獲得した。


ナウ・アンド・ゼンは11月2日に発売され、翌日にはシングルチャートで42位に入った。それからわずか1週間で1位となった。


ビートルズは、最初の1位獲得から最新の1位獲得までの期間が最も長いアーティストの新記録を樹立した。新しい記録は60年6カ月。ビートルズが初めて1位を獲得したのは1963年5月で曲は「フロム・ミー・トゥ・ユー」だった。これまでの記録は、エルビス・プレスリーの47年6カ月だった。



ビートルズが英国で1位を獲得したのは、69年の「ジョンとヨーコのバラード」以来54年ぶり。1位獲得から次の1位獲得までの期間の長さについても新記録となった。これまではケイト・ブッシュが44年ぶりという記録を保持していた。


ポール・マッカートニーは全英チャートに対し、1位獲得は想像を絶する出来事だったとし、「私にとって非常に感情的な瞬間だ。素晴らしい!」と語った。


ビートルズが全英チャート1位を獲得したのは今回で18曲目。これは、プレスリーの21曲に次ぐ史上2位の記録。



私が、曲の理解を180度急展開させたきっかけになった制作ドキュメンタリー。

ビートルズ最後の新曲「ナウ・アンド・ゼン」誕生秘話を語る短編ドキュメンタリー


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『Now and Then: ザ・ラスト・ビートルズ・ソング』はオリヴァー・マーレイが監督・脚本を手掛けた12分間のドキュメンタリー映画で、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、そしてジョン・レノンの息子ショーン・レノンや、アカデミー賞&エミー賞受賞の世界的フィルムメイカーピーター・ジャクソンの独占映像やコメントを交えながら、ザ・ビートルズ最後の曲「ナウ・アンド・ゼン」の誕生秘話が語られている。



このたびリリースされた新曲「ナウ・アンド・ゼン」の完成までの波乱万丈の道のりは50年以上に渡るもので、今日まで続く4人のザ・ビートルズの対話とコラボレーションの産物です。長い間神話化されてきたジョン・レノンのデモテープは、1995年2月、ビートルズ・アンソロジー・プロジェクトの一環としてポール、ジョージ、リンゴによって制作が開始されたが、1970年代にジョンがテープに録音したボーカルを扱うにはノイズ消去やボーカルと楽器の音声解析等で当時の技術では無理があったこともあり、未完成のままでした。


何年もの間、この曲は完成しないかに見えましたが、2022年、予想外の出来事が起こります。世界的映画監督のピーター・ジャクソンと彼のチームが開発したソフトウェアが、ドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』の製作に使用され、ついにジョン・レノンのボーカルとピアノ・パートを別々のサウンドデータにすることに成功したのです。その結果、オリジナル・レコーディングデータは、4人のビートルズ全員の参加によって、新たに蘇り、作業されることになりました。この驚くべき音楽考古学の復元作業とも言える物語は、ザ・ビートルズの果てしない創造的好奇心とテクノロジーへの共通の魅力を表していて、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴが一緒に作る最後のレコーディングの完成を記念し、ポピュラー音楽史上最も影響力のあるバンドの遺産を称えたものとなりました。







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