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皇室のみやび~受け継ぐ美 [美術]

新しく衣替えとなった皇居三の丸尚蔵館で、”皇室のみやび~受け継ぐ美”を拝見してきました。去年の11月に始まったのですが、ぜひ行きたいとずっと思いつつ、年末はいろいろ忙しくようやく時間を見繕って行くことができました。


皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 「皇室のみやび~受け継ぐ美」




上皇陛下と香淳皇后によって国に寄贈された皇室ゆかりの美術工芸品の保存、研究、公開のため、平成5年、宮内庁三の丸尚蔵館として皇居東御苑内に開館。本年で開館30周年を迎えます。令和元年より新たな施設の建設が進められており、このたび完成した一部(Ⅰ期棟)を開館いたします。また、本年10月より管理・運営を宮内庁から独立行政法人国立文化財機構に移管し、正式名称は新たに「皇居三の丸尚蔵館」へと変わります。これまでの活動をさらに充実させ、より多くのお客様に親しんでいただける施設を目指してまいります。


皇居の三の丸尚蔵館は、上皇さま、香淳皇后さまによって平成時に寄贈された皇室ゆかりの美術工芸品が保存、研究、公開のため宮内庁三の丸尚蔵館として皇居東御苑内に開館されたんですね。今年で会館30周年だそうで、施設の新設、管理・運営を宮内庁から独立行政法人国立文化財機構に移管し、正式名称は新たに「皇居三の丸尚蔵館」として再スタートということなんですね。


まだ完成の一部ということですから、これからどんどん増設されていくんですね。

なにせ皇居に初めて行ったのが、江戸城天守閣復元模型のときですから、この三の丸尚蔵館は行ったことがありませんでした。ぜひ行ってみたいと思っていたのです。


●新しく生まれ変わった皇居三の丸尚蔵館


本展は、今年11月に開館30年を迎える三の丸尚蔵館が、令和という新たな時代に、装いを新たに「皇居三の丸尚蔵館」として開館することを記念して開催するものです。


約8か月にわたって開催する本展では、「皇室のみやび」をテーマに、当館を代表する多種多彩な収蔵品を4期に分けて展示します。これらは、いずれも皇室に受け継がれてきた貴重な品々ばかりです。長い歴史と伝統の中で培われてきた皇室と文化の関わり、そしてその美に触れていただければ幸いです。


※出品作品は全て国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)の作品です。


皇室ゆかりの多種多様な品々を4期に分けてご紹介

本展覧会の3つの見どころ


1


新しく生まれ変わった皇居三の丸尚蔵館の施設で、

皇室に受け継がれてきた多種多様な品々を4期に分けてご紹介!


2


国宝 《蒙古襲来絵詞》、国宝・狩野永徳 《唐獅子図屏風》、国宝・伊藤若冲 《動植綵絵》(全30幅のうち12幅)など、当館を代表する名品を多数公開!



3


若冲だけじゃない!

明治・大正・昭和の天皇皇后の日常をしのばせる品々など、初公開となる作品も!


「皇室のみやび」をテーマに、当館を代表する多種多彩な収蔵品を4期に分けて展示します。


第1期 三の丸尚蔵や館の国宝 令和5年11月3日(金・祝)~12月24日(日)

第2期 近代皇室を彩どる技と美 令和6年1月4日(木)~3月3日(日)

第3期 近代の御所を飾った品々 令和6年3月12日(火)~5月12日(日)

第4期 三の丸尚蔵館の名品      令和6年5月21日(火)~6月23日(日)


皇居三の丸尚蔵館は、皇居東御苑の正門からすぐ100mのところにあります。皇居ですからとうぜん手荷物検査があります。


チケットは、皇居内での販売はないです。すべてオンラインでの販売になります。公式HPからチケットが買えるようになっています。一般1,000円、大学生500円です。


自分は第2期 近代皇室を彩どる技と美を拝見してまいりました。

じつは第1期もすごく見たかったんですよね。忙しくて行けませんでした。


とにかくこの皇居三の丸尚蔵館に収蔵されている作品は、すべて国宝ですから、大変貴重です。

そして驚くことなかれ、写真撮影可能なのです!


大抵美術館は、撮影禁止がほとんどです。


しかも皇室に関わる作品であるにも関わらず、写真撮影可能というのは、大変驚きました。もちろん作品の中には撮影禁止のものもあります。展示の説明パネルにカメラのマークがあって、そこに赤い斜め線があるものは撮影禁止です。撮影する前によくパネルのカメラマークを注意してご覧になることをお薦めします。もちろん係員スタッフの方がいますので、そういう場合は注意を受けます。(自分がそうでした。(笑))


ちょっと公式HPの情報をお借りして、この第1期を少しご紹介しますね。



「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」である国宝。これらは学術、そして文化史的にも極めて重要な作品であるのはもちろんのこと、長い日本の歴史のなかで培われてきた美の結晶ともいえるものです。皇居三の丸尚蔵館 開館記念展の最初を飾る第1期では、近年指定された当館収蔵の国宝8件のなかから4件の作品をご覧いただきます。



とくに、国宝・伊藤若冲《動植綵絵(どうしょくさいえ)》はどうしても観たかったです。伊藤若沖展は、数年前に上野の美術館で展示されましたが、信じられないくらいの大行列で自分は無理だと最初から諦めていました。若沖の作品を間近に観たことがないです。ぜひ行きたかった~。


伊藤若冲の「動植綵繪」


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蒙古襲来絵詞 後巻 歴史的事件、元寇を伝える絵巻


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そして、特別展示 御即位5年・御成婚30年記念 ということで、


令和の御代を迎えて―天皇皇后両陛下が歩まれた30年


と題して、いろいろ展示があったようなのです。


写真は、天皇皇后両陛下が結婚の儀のときのご装束になります。


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これは拝見したかったですね~。



それでは、私が拝見してきた第2期  近代皇室を彩どる技と美をご紹介しますね。


新しく再スタートとなった皇居三の丸尚蔵館は、皇居東御苑の正門からすぐ100mのところにあります。


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展示は、約60件(100点)に渡り、展示室1・2の両方を使い、4期の中でも最大だと思います。


近代皇室を彩る技と美


皇居三の丸尚蔵館の収蔵作品には、明治時代以降に宮中において室内装飾として使用された美術工芸品類が含まれています。なかでも、明治22年(1889)に大日本帝国憲法発布式が行われた場所でもある明治宮殿を飾った作品は、当時の著名な作家が最高の技術を凝らしたものです。第2期では、それらの作品とともに御即位や大婚25年(銀婚式)など皇室の御慶事を契機として制作された作品、さらに明治・大正・昭和の三代の天皇皇后にゆかりのある品々をご紹介します。


明治・大正・昭和の三代の天皇皇后にゆかりのある品々。

自分の世代は、昭和天皇以降の時代でした。


自分が生まれて子供の頃はずっと昭和天皇でした。以降、平成のいまの上皇さま、上皇后さま、そして現在の令和の天皇さま、皇后さまにになります。昭和天皇のときが1番長かったと思います。1989年に崩御なされたので、自分が社会人2年生のときです。


天皇崩御というのは、もう日本中が喪に服すというか、テレビ番組も1日中そんな感じだったと思います。会社も休みだったんじゃないかな。


いまの上皇さま、上皇后さまやいまの天皇陛下、皇后さまが皇太子、皇太子妃の時代から眺めてきた訳ですから、ずっと時代の変遷を観てきたんだな、と思います。自分もやはり年寄りです。


以下、明治・大正・昭和天皇時代に宮中において室内装飾として使用された美術工芸品類を紹介していきます。


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縦2メートル半弱、横4メートル半という特大の画面

《日出処日本ひいづるところにほん》

横山大観 昭和15年(1940)


【展示期間:1月4日~3月3日】


これは壮大でしたね~。




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これは皇室の系図になります。


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圧巻でなんか厳粛で神聖な気持ちになりました。

ぜひ足を運ばれることをお勧めいたします。

なかなか体験できることではないと思いますよ。


さて、ひさしぶりに皇居東御苑にやってまいりしましたので、皇居内をいろいろ歩いてみようと思いました。


皇居は、昔の江戸城があったところになります。

石垣ってほんとうに美しいですね~

最高に美しいと思います。


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江戸城天守閣の天守台。


そしてそれを眺めるように二の丸、三の丸があったところ。いまは公園、広場になっています。


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江戸城は、江戸時代から天守閣がないまま現在に至るのです。


江戸城の天守閣は、初代家康・慶長12 年(1607)、2代秀忠・元和9年(1623 )、3代家光・寛永14年(1637)と代替えごとに3度建築されています。特に3代将軍家光の代に江戸幕府の権威を象徴するわが国最大の寛永天守閣が完成したのです。


江戸城天守閣(寛永度天守)がどれだけ巨大だったのか?を示す図をいろいろ引っ張ってきました。


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つい最近見てきた姫路城天守や現在の日本武道館と比較して、江戸城天守はこんなにデカいのです。まさに日本のお城の天守閣の最大を誇ったのが江戸城なのです。



三代将軍家光の嫡男家綱が四代将軍となって6年目のこと。明暦3年(1657)に江戸全体を焼き尽くす大火事がありました。江戸城の天守閣が無くなったのはその1657年の「明暦の大火」による焼失のためだったのです。


皇居は、江戸城があったところなのに、江戸城天守閣がありませんよね。


わかりやすく、「なぜ江戸城に天守がないのか?」



そもそも、天守とは何か。端的に表現するならば、大きな櫓である。主な用途は、戦になったときの物見や武器庫、籠城の際の拠点として使うための建造物で、日常的な使い道はこれといってない。


ただ、巨大な天守を持っているということは、巨大な軍事力・権力の証であり、徳川家に反感を持つ大名たちを牽制するためにも、家康、秀忠、家光の三代は天守を上げ続ける必要があったです。


しかし四代・家綱の代になって内乱状態は沈静化し、大名統治のシステムも盤石になった。つまり、再び戦が起こる心配のない、真の天下泰平の世がやってきていた。


そんな時代に、天守を上げて、軍事力や権力の誇示をすることが果たして必要だろうか? しかも、江戸城下が未曾有の災害で壊滅しかかっている非常事態に……。


保科正之をはじめ、当時の幕閣たちがだした答えは「NO」であった。特に実用性のない天守に莫大な建設費や維持管理費を割くぐらいだったら、城下の復興・再建にあてようという英断を下したました。


これは、徳川幕府による全国の統治の方針が、当初の軍事力にものをいわせた「武断政治」から、戦の心配がなくなったために、法や制度の充実によって社会秩序を安定させようという「文治政治」に移行したことを表わすものでありました。


家康が初めて江戸城に天守を上げてから明暦の大火まで、ちょうど50年。江戸は、真に平和な時代を迎えようとしていたことの証ともいえます。


以降、江戸城に天守が再建されることはなかった。当時の人々にとっては、天守のない江戸城こそ、平和を実感する誇らしい風景だったのかもしれない。




結局、江戸城の天守閣って、徳川幕府の初代家康から15代将軍慶喜の時代までの中で、最初の3代の家康、秀忠、家光のときにのみ存在していて、明暦の大火で焼失してからは、江戸城には天守閣が存在しない時代がずっと続いていて、現在に至るんですね。


いまのこの皇居にある天守台は、4代将軍家綱は、直ちに再建を計画すると、加賀前田家は天守閣の再構築を申し出て、万次元年(1658)9月27日に天守台を完成させたものなんですね。


数年前に、この江戸城天守を再建しようという動きが活発になって、”江戸城天守を再建する会”というのが作られました。もちろん再建するのは、日本最大の寛永天守です。


CGで復元された寛永天守。

2019年の頃ですね~。自分もずいぶん興奮して盛り上がりました。


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江戸城天守が再建されると、ほんとうに夢がありますが、そして自分のような城マニアの方も最高に嬉しいと思いますが、でも実際の現実となるとなかなかそう簡単には事は運ばないというか非常に慎重に考えるべき問題が多いようです。


費用の問題、そしてなによりも江戸城天守を復元してしまうと、その天守閣から天皇陛下が住まわれている皇居を下に見下ろすことになるので、それが問題、いまのいろいろな国難をたくさん抱えている時代に、江戸城天守を再建している場合か、そのほかいろいろ慎重に議論するべく問題が多いようです。


それはわかる気がします。


でも城マニアにとっては、ほんとうに夢があることなんですけどね~。


江戸城天守閣ができてしまうと、なんか大阪城天守閣とのパワーバランスが異なってくるような気がしますね。


皇居東御苑には江戸城天守復元模型がありました。

懐かしいです。


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江戸城天守を再建する。


夢が実現するとうれしいですね。









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激動の時代 幕末明治の絵師たち [美術]

サントリー美術館は、森美術館と国立新美術館と合わせて3館で「六本木アート・トライアングル」と言われている。森美術館と国立新美術館は、1回行ったことがあるけれど、ものすごく大きくて、展示されている絵画作品も膨大な数に及ぶ。とても1回行ったきりでは、消化不良でお腹いっぱい過ぎるところがある。消化しきれない感じだ。


それに比べて、サントリー美術館はすごいコンパクトで小振りな美術館なので、なんか自分のように随一の絵画マニアとはいえない中途半端なファンには、とても適切なボリュームでいいのである。


天下の六本木のど真ん中にあって、都会的なセンスに溢れている喧騒の中で、すごいお洒落で素敵な美術館だと思う。自分はサントリー美術館の大ファンである。これくらいの規模が自分にはすごく合っている。


いま連載している大好評(?)の横浜シリーズに合わせるように、”横浜浮世絵”の紹介が、サントリー美術館のFacebookに投稿されて、つい目が行ってしまい、これは素敵!ぜひまた再訪しよう!と即決で決めた。


いまサントリー美術館で開催されているのが、


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激動の時代 幕末明治の絵師たち

2023年10月11日(水)~12月3日(日)



江戸から明治へと移り変わる激動の19世紀、日本絵画の伝統を受け継ぎながら新たな表現へ挑戦した絵師たちが活躍しました。本展では幕末明治期に個性的な作品を描いた絵師や変革を遂げた画派の作品に着目します。


幕末明治期の絵画は、江戸と明治(近世と近代)という時代のはざまに埋もれ、かつては等閑視されることもあった分野です。しかし、近年の美術史では、江戸から明治へのつながりを重視するようになり、現在、幕末明治期は多士済々の絵師たちが腕を奮った時代として注目度が高まっています。


本展では、幕末明治期の江戸・東京を中心に活動した異色の絵師たちを紹介し、その作品の魅力に迫ります。天保の改革や黒船来航、流行り病、安政の大地震、倒幕運動といった混沌とした世相を物語るように、劇的で力強い描写、迫真的な表現、そして怪奇的な画風などが生まれました。


また、本格的に流入する西洋美術を受容した洋風画法や伝統に新たな創意を加えた作品も描かれています。このような幕末絵画の特徴は、明治時代初期頃まで見受けられました。社会情勢が大きく変化する現代も「激動の時代」と呼べるかもしれません。本展は、今なお新鮮な驚きや力強さが感じられる幕末明治期の作品群を特集する貴重な機会となります。激動の時代に生きた絵師たちの創造性をぜひご覧ください。



・・・・・・


幕末から明治にかけて活躍した絵師たちの作品に注目して、その激動の時代の作品を堪能しようというもの。横浜浮世絵も、そんな幕末、ペリー来航で”横浜村”という寒村に過ぎなかった小さな港が、開港して、その後西洋の文化が全部この横浜を通じて、日本国内に一気に流入するようになり、まさに大発展の港町としてその後栄えていくことになる。


鎖国の日本から、一転して西洋人が入り乱れ、西洋文化とともに、和洋折衷のような独特の風景を生み出すことになり、そんな様子が書かれた浮世絵が”横浜浮世絵”だ。


横浜浮世絵 (c)サントリー美術館Facebook


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安政6年の開港にともない、国際港へと変貌していった横浜は、江戸の版元から大きな注目を集め、歌川派の絵師たちによって外国人や町の風景、船、洋館などを描いた浮世絵が多数制作されました。こちらの窓の外には、数々の帆船が見られます。


これはぜひ観たいと思った。

この横浜浮世絵が自分の一番の狙いである。


ひさしぶりの2回目のサントリー美術館。


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4F→3Fと2フロアに跨いで展示がされていた。



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(c)サントリー美術館Facebook



やっぱり美術館って1回観ただけでは足りませんね。結局翌日にもう1回観に行きました。(笑)1回目というのは、うわぁああ~という感動でもう胸がいっぱい。興奮でそれで終わってしまう。でも2回目に行くとようやく自分の器の中でコントロールできようになり、それだけ冷静に観れるし分析もできる。それだけ自分にとっては感動のいい絵画展だと思いました。


ドイツ人の集団の観光客ツアーのみなさんもいらっしゃって、ガイドさんがドイツ語で説明している風景にも出会いました。


幕末展のひと通りの感想としては、やはり男らしい!というか激動の時代を生き抜いた人物像の描かれ方が、非常に男らしくて、筆致のタッチも非常に逞しい感じがする。比較的人物像を描いた作品が多かったような気がします。



作品の詳しい説明は、サントリー美術館公式HPのこちらに書かれていますので、行く前に目を通すといいと思います。



激動の時代 幕末明治の絵師たち



江戸時代幕末は、江戸時代に画壇の覇者として君臨していた、あの狩野派はもちろんのこと、いろいろな画才がたくさん現れて百花繚乱の時代でした。19世紀の江戸において二大流派であった狩野派と文晁一門を中心に、数多くの絵師たちが腕を競った幕末の江戸画壇。


その狩野派の狩野一信が、伝統的な仏画の画題に洋風の陰影法を用いて、強烈な迫力をもつ極彩色の「五百羅漢図」。


これは入ってすぐの入り口のところで出会うのですが、これは圧倒されますね~。

ここで自分の魂は持っていかれました。


個人的には、横浜浮世絵が目当てで行ったのですが、魂の持ってかれ方、出会って、思わず息を止めてしまいそうな美しさ。全体が仏画だけあって黄金色なんですが、どこか陰影があって、しっとりした深みがあるのです。これは魂持ってかれましたね~。


この作品はぜひお勧めです。入り口の入ったすぐのところで出会います。


役者絵や美人画が中心であった浮世絵は、19世紀になると新たなジャンルが発展します。葛飾北斎や歌川広重(1797~1858)の登場により名所絵や花鳥画が流行し、人気を博しました。幕末には武者絵で名をあげた歌川国芳(1797~1861)が、風刺のきいた戯画や、三枚続を活かした斬新な構図などで新機軸を打ち出しています。


この幕末浮世絵はとにかく男らしい!逞しくて男らしい筆致で、この絵画展の全体の印象を決めて付けているくらいの影響力がありました。なんか、今回のバクマツ展、幕末展は男らしいな~というのが、自分が全体を通して、抱いた印象でしたから。。。


勇ましい武者を描いた人物画。この時期に源平合戦も描かれたんですね。その大画も展示されていました。


とにかく幕末の絵師の作風は男らしい!


そのひと言に尽きると思いました。


この幕末展、12月3日(日)まで開催されています。

ぜひ足を運ばれてみてください。


さて、ひと通り鑑賞が終わりましたら、もちろんサントリー shop×cafeに行きます。


ショップのほうには、今回の絵画展の図録の写真集が売られています。


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自分のお目当ては、カフェ 加賀麩不室屋。


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あの国宝級の名産、加賀麩(かがふ=おふです。)をいろいろなお料理にアレンジして素敵な一品をいただけるカフェ、お食事処です。


店内は、まるで、六本木の夜のバーのような雰囲気のあるオシャレさです。

非常にコンパクトな造りです。


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自分がオーダーするのは決まっています。加賀麩とりどり膳 2,200円。

いろいろなバリエーションで、たとえばあるときは味噌田楽に、あるときは天ぷらに、そして味噌汁は加賀味噌で、お麩を乗せたお味噌汁。いろいろな加賀麩を楽しめる、そして見た目もすごく美しい!


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前回来たときは、もういっぺんに虜になりました。

美味しかったし、そして見た目と比べて意外やお腹いっぱいになります。


また、ぜひ来たいと思います。


サントリー美術館の幕末絵画展、結局2日連続で通いましたからね~。

2回連続で通って、ようやく満足できました。


今回、自分をさらに視覚的にノックアウトしたのが、東京ミッドタウン、そして六本木駅からサントリー美術館に行くまでの道すがらの風景。


もう都会的センス溢れ過ぎてる~。

カッコ良すぎる~。

さすが~六本木!


もう自分は完全にノックアウトされました。

もうかなりクラクラでした。


その一連の風景の写真をちょっと撮ってきましたので、ご紹介しますね。

もう写真でもクラクラきますね。実際の生のリアル肉眼では、もっとキラキラしてますよ。


もうお洒落過ぎてカッコう良すぎて最高です!

さすが六本木という感じです。


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このショッピングモールの4Fには、ライブレストランのビルボードライブ東京が入ってます。ここもよく通いました。ケイコリーさんやakikoさんのコンサートで湯水のようにお金を投資しました。若い青春時代でないとできない体験でした。自分の音楽人生の宝物です。


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自分的には、こういううどん屋さんのほうが、ホッとするんですよね。(笑)なんか自分のホームに戻ってきたような感じがします。ここのうどん屋さん、今度入ってみます。


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こんな都会的センス溢れる六本木、東京ミッドタウン。住みたいとは思わないけど、こういうところにオフィスがあるならば毎日通勤してみたいです。














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病院の待合室に飾りたい絵画 [美術]

病院の待合室は、病気にかかったときは、本当に緊張する場所だ。


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診察まで自分の順番が来るまで待たされるわけだが、先生にどんな病名を告げられるか、もうドキドキもんである。この待っている間は、ほんとうに緊張でなんともいえないくらい嫌なもんですね。


逆に診察後にたいしたことがなかった場合は、もうなんとも晴れやかな気持ちで、会計を待っているときの待合室は一転して天国になりますね。


誰もが経験することだと思う。


具合が悪くなって病院にかかるときは、そうなのだろうけど、自分の場合は血糖値検査のときもそうである。(笑)今月は食べ過ぎたな~?悪い値だったらどうしよう~とか待っている間はすごいドキドキだ。もともと早い心拍数がますます早くなってしまう。


逆に結果が良かった場合、あるいは先月と同じの場合は、もう終わったあとのなんと晴れやかなことか!1か月のうちのブルーな儀式が終わったあと、良かった場合は、もうその日はご褒美である。美味しいものを腹いっぱい食べる。


いつも検査の前日は、1か月我慢したんだから、終わったら、美味しいものをたくさん食べたい、明日はあそこに行こう!とか予定を立てるのだけれど、逆に悪かった場合は、そんな気持ちが一気に萎えてしまいますね。その日はおとなしく粗食で。そして次の検査日まで食生活節制の毎日だな、と覚悟する日でもあります。


もうずっとそれの繰り返しです。


そんな病院の待合室。


大きな総合病院だと、結構高齢な患者さんや、いかにも具合の悪そうな重症患者さんなどでいっぱいで結構殺伐としていますね。だから待合室もかなり殺風景でいかにも病院という感じの待合室です。


救急病院だともう地獄図です。(笑)


大きな病院だと、待ち順番が掲示される電子掲示板があったりしますね。それで診察室内からアナウンスで呼ばれるみたいな。


でも基本は、大きな病院の待合室は殺風景です。


ところが小さなクリニック。いわゆる持病持ちで、毎月経過観察みたいな目的の病院の場合は、クリニックの待合室というのは、大きな病院と比べると、明るいというか、大きな病院ほど殺伐とはしていないですね。


クリニックの待合室というのは、清潔感があって明るい感じがします。


クリニックの定期診察のときの待合室は、ほんとうに気が楽です。いつもの行事で、ドキドキする事なんてほとんどないです。先生とお話しすることが気晴らしになったりすることも多いでしょう。


そんなクリニックの待合室では絵画が飾られていることがあります。


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またそういう病院やクリニック、あるいは福祉施設に飾るための絵画、アートを販売する、そういう専門のサービスもネットにありました。


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病院・福祉施設向けホスピタルアート


未来へ続く、希望と幸せをこめた「絵」のインテリアアート。

患者様の笑顔があふれる毎日を願って。


なんでこんな話をしているか、というと、自分のかかりつけの自由が丘のクリニックでは待合室に絵画が飾られているのです。自分の場合、いつも朝一番のいちばん最初の順番で予約するので、クリニックが開くと同時に入るので、誰1人いない待合室で自分の好きな場所に座ります。


不思議なもので、誰もいない待合室でどこに座るか、というと、かならず定位置の座席が決まっているんですね。人間って不思議なもので、日によってそれぞれ別の場所に座るということはほとんどないと思います。


かならず同じ場所に座る。そういうもんだと思います。


そして自分の座っている場所の目の前の壁には、絵画が飾られています。


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この絵がとても好きで、なんか20年間ずっと朝一番でこの絵を見続けている訳ですが、幸せになるというか、なんともいえない自分の心にぐっと来る絵なのです。


マンションを描いた絵で、夕暮れ時でしょうか。。。これがどうも自分の心に刺さる。自分は絵心はないし、そこまで美術マニアではないですが、美術館通いは好きです。ヨーロッパに旅行に行くときは、かならずその国の有名な美術館は鑑賞したいと思っています。だからふつうに絵画は好きです。


絵をみると、自分の好きな絵に出会うと、ぐっと来る。そういう感性は人並みにはあると思っています。2週間に1回の診察で、朝、この絵を見ると、なんか毎回幸せな気分になり、この絵を見ることが毎回の通院の楽しみだったりします。なぜこの絵に魅かれるのかは、わからないです。絵の魅力ってそうなのじゃないでしょうか。理由を説明はできませんね。なぜか感動する、なぜかグッとくる。。絵ってそういうものだと思います。


いつか聞こうと思ってずっとそのままでいたのですが、先日、意を決して先生に聞いてみました。


そうすると、この絵は、ドイツの女性画家のフォテラーさんの絵だといいます。

先生は、じつは絵が大好きで、自分では描いたりしないけど、かなりお好きなようです。絵画関係は詳しいみたいです。画廊展にもよく足を運ばれているようです。


このクリニックを開院するときに、待合室がそのままでは殺風景なので、飾るための絵を探していたそうで、そのときにフォテラーさんが日本でご自身の絵画展を開いていて、そこに直接足を運ばれたそうです。


そのとき、先生はフォテラーさんと直接お話もされて、購入した絵画に、サインもいただいたそう。そのとき、フォテラーさんは、この絵は、ベルリンにある自分のマンションから見える風景を描いた、と仰っていたそうです。


そうだったんですね!!!


自分はもう大感動です。自分を魅入ってきたこの絵は、女性画家フォテラーさんの自宅マンションから見える風景を描いたものだったとは!


20年目にして初めて知るその真実です。


先生は仰っていました。

最近はみんなネット販売になってしまったよね~。絵というのはやっぱり直接画廊展に行って直に自分の肉眼で観ないとわからないんだよね。リアルで観るときに自分に与える印象というのはネットの挿絵を見ているだけでは絶対そこには到達しないんだそう。


これはわかる気がします~。美術館でその絵を至近距離で観たときに、その絵から発する波動みたいなものは、やはりリアルの肉眼で観てはじめてわかるもの。ネットの写真じゃ無理ですね。


画廊展で直接その絵を見ながら、その画家とお話をしながら・・・そういうのじゃないとダメだと先生は仰っていました。絵にはいろいろな種類がありますが、フォテラーさんのこの絵は版画です。フォテラーさんは画家ですが、版画家のようです。


そして先生は、クリニックの待合室に絵を飾る場合は、油絵はやはりちょっときつ過ぎる、という印象を持ったそうです。こういう水彩画がすごく静かで穏やかな感じでいいと思ったそうです。


このドイツの女性版画家フォテラーさんのことを知りたくて、そしてそれ以外の作品も見てみたくてネットで調べてみました。


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ユッタ フォテラー

JUTTA VOTTELER


1959年 ドイツ出身・在住。1983年からマインツの美術大学で木版画と多色銅版画を学ぶ。

1987年から4年間、美術教師として勤務。

数々の個展を経て1991年、ベルリンにアトリエを構える。

1996年 木版画と多色銅版画を教える資格を取得する。

2004年より3回来日しており日本各地で作品展を開催。


2004年というと自由が丘のクリニックがちょうど開院した頃ですから、ちょうどそのときに日本で作品展を開いて先生はそこに行かれたんですね。


日本には3回も作品展を開いているとはすごいです!また来てほしいです。フォテラーさんのことを知ることができたので、今度は自分が直接行ってみたいです。


フォテラーさんの他の作品もネットで探してみました。

ネットで拾えるのは、植物関係の絵が多いですね。でもとても素敵です。


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でもお値段結構高いもんなんですね。(笑)このネット通販でも7万~10万くらいはするようです。額縁画ですが、木版画って高いんですね。


自分もフォテラーさんの絵が欲しい。自分の部屋に飾りたいと思いますが、自分の部屋はオーディオ機器、CD類などで、モノが多すぎて。(笑)絵を飾る部屋というのはある程度空間が保証されている部屋じゃないとダメですね。見た目がすっきりしているモノが少ない部屋が似合いますね。ゴチャゴチャしている部屋では絵が可哀そうです。


でもオーディオマニアのオーディオルームとしては絵を飾るのもひとつのファッションだとは思います。


自由が丘のクリニックの待合室では、いろいろな絵が飾られています。どれも版画です。自分が好きなマンションの絵以外にもフォテラーさんの絵が飾られています。


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こちらはカニアンズさんという画家の絵だそうです。


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そしてこちらが千葉に住まれている石井さんという画家さんの絵だそうです。


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さすが、先生センスありますね!

待合室の雰囲気に癒しの空気が流れています。


ちなみに自由が丘のクリニックの待合室では、絵画だけではないです。

とても静かなヒーリング音楽がBGMとして流れています。


この絵画にヒーリング音楽で、待合室はとても癒しの空気で満たされています。

とても素敵な待合室だと思います。



病院の待合室に飾りたい絵画として、他にはどんなものがあるのだろう?と思いネットで調べてみました。


アート名画館公式ブログ



このブログでは、毎年、病院の待合室に飾りたい油絵は!?というアンケートをとって公表しているみたいです。油絵がメインみたいです。


病院や医院、クリニックに飾ってあれば癒しの空間になりそうな作品。病院の待合室に飾りたい絵画_2022年度ランキングだそうで、今回のランキングは実際に病院関係のお客様からのご注文をランキング化したものだそうです。


病院や医院、クリニック様より絵画作品をご注文頂くことが多いのですが、診療室や待合室や受付などに絵画があるとホッと癒されますよね。


私自身も病院に行きちょっと緊張する空間で、優しい絵があると心が落ち着くなと思う経験が幾度とありました。


 今日はそのランキングでご紹介した作品の中からベスト5をこちらでもご紹介したいと思います。当店サイトではベスト30位までご紹介しています。



第5位


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フェルメール【デルフトの眺望】 


制作年:1659年 


原画サイズ:117.5×98,5cm

所蔵:マウリッツハイツ美術館


 


1632年オランダ生まれのフランドル派ヨハネス・フェルメール。

この作品は、彼の代表作。デルフトの町を南西の方角から描き出したもので、左奥に旧教会の尖塔、その手前にスキーダム門、右側に張り出したロッテルダム門、その奥には現在武器博物館となっている建物の赤い屋根、そして武器博物館の右に新教会の白っぽい尖塔が描かれている。



第4位


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シスレー【モレ・シュル・ロワン】

制作年:1891年

原画サイズ:65cm×92cm

所蔵:個人蔵


1839年、フランス生まれのイギリス人である印象派の画家アルフレッド・シスレー。穏やかな作品を好んだシスレーは作品の大部分をパリ周辺の風景を題材にして描いた。この作品は、フランスのモレという街を描いた作品。



第3位


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ドガ【踊り子たち(ピンクと緑)】

制作年:1890年

原画サイズ:82.2x75.6cm

所蔵:メトロポリタン美術館


1834年パリ生まれ、印象派を代表する画家のひとりエドガー・ドガ。

ドガは踊り子(バレリーナ)の様子を沢山描き残しています。

本作も踊り子の様子を描いた作品です。




第2位


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モネ 【ひまわり】

制作年:1881年 

所蔵:メトロポリタン美術館


1840年フランス生まれの印象派の画家クロード・モネ。

本作はモネが描くひまわりの絵。モネが睡蓮以外の花を描くのも、静物画を描くのも珍しい貴重な作品です。





第1位


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モネ【睡蓮 緑のハーモニー】

制作年:1899年


原画サイズ:89×93.5cm

所蔵:オルセー美術館


モネが晩年期に手がけた最も有名な作品が『睡蓮』。

モネの自宅兼アトリエに造園した庭園の池に浮かぶ睡蓮を連作的に描いた作品。「グリーン・ハーモニー」と言われるだけあって、微妙に違う緑色が折り重なり、緑だけで、美しい睡蓮の広がりを上手く表現しています。





素晴らしいですね。


でもどの病院でも似合うか、というとそういう訳でもありませんね。やはり絵画が飾ってあるのが似合う病院と似合わない病院はありますね。


大人数を捌かないといけない総合病院はなかなか難しいですかね。自分の経験であの病院内の風景をみると、そんな感じがします。小さなクリニックは、清潔感溢れる感じで、待合室に絵画は似合いそうです。


あと、その病気を扱うその病気の種類によっても似合う病院と似合わない病院はありますね。


でも、ひさしぶりに美術館に行ってみたくなりました。


どこかで画廊展やってませんかね?











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