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車の双方向サービス [モビリティ]

車って、じつは双方向サービスが苦手、というのは自分の長年の経験によるしみじみそう思う感想である。ホームエンターティメントの世界からやってきた自分は、この車がこの双方向通信の世界があまり得意でないことを知って、そうなのか、と驚愕した。ホームの世界では、インタラクティブ・サービスとか、VoD(Video On Demand)とか華やかし頃だったので、正直ショックだった。とくに上り回線、Return Channelが苦手だった。


でもよくよく考えてみたら、ホームみたいに、有線だったら、インターネットの差込口が車内にある訳じゃないし、車はつねに移動しているし、IPアドレスを設定して、その動いている車にピンポイントに送り込む、そういう1対1の通信が苦手なんだろう、ということは想像できた。


逆に、空から一様に降ってくる放送型のサービス、FM/AMのカーラジオとか地デジのテレビ受信とか、そういうのは得意である。


それはなんとなく想像できた。でも正直異文化からやってきた自分は、かなりカルチャーショックだった。


いまの時代はそういうこともなくなったきたが、当時は、クルマで双方向サービスを実現すべく、涙ぐましい努力をしてきたのだ。


国交省(国土交通省)が国をあげて進めていたITS (Intelligent Transport Systems)、高度道路交通システムがそうである。国の予算で導入を開始した。いまはもう民営、民間に移っている。


国が高速道路、新幹線を日本全国土に整備していくのと同じように、国をあげて、国の予算を投じて進めていたのだがITSだったのだ。


新しいアイデアを書くと、差し障りがあって迷惑をかけると思うので、こういうすでに枯れた技術であれば問題ないであろう。(笑)


カーの世界では、いかに双方向サービスで苦しんできたか、を如実に語るには絶好のアイテムである。


なにを隠そう、自分は知財部在籍時代、このITSの出願の責任者、主担当であった。もう覚えてないくらい膨大なITS特許の出願に関わって来たし、パテントマップとかも一生懸命作って、他社特許出願傾向を調べて、業界のITS技術の権利マップを作成して、業界動向を探り、我が社はここら辺を狙っていくべき、などの戦略も考えたりした。


伝送系の物理処理は、やっぱりパナソニックとかデンソーなどがすごい圧倒的に強いのだけれど、我が社はアプリケーションの分野が圧倒的に強かった。業界トップレベル、いや曖昧な記憶だけど、たぶん業界トップだったと思う。


出願数だったか、登録査定数だったか、よく覚えていないのだけれど、これだけのIP資産はぜひ効果的に活用すべきという知財業界のどこの団体だったか覚えていないけれど、推薦を受けたほどだった。


実際の車への実装も、伝送系のモデムは、パナソニックのモデムを使って、弊社はソフトでアプリを開発する、そんな感じだった。



もう10年以上前の話で、ITSも民間に移管されたし、スマホの登場で、スマホを車載器に接続することで、双方向を実現する、というスタイルが出てきてから、ITSももう終わったのかな、と思っていたのだが、ネットをググってみると、まだやっていたんですね。(笑)


ITSというのは、道路上にITSスポット、特許明細書上では、路側機と言います(以下、自分はITSスポットという一般市民の普及名称よりは、路側機のほうが馴染みが深いので、以下はこちらの用語を使用します。)、を道路の路側側に一定間隔で並べて、そこからDSRCという狭域通信の無線通信で車と双方向でやりとりをする仕組みである。


DSRCは、5.8GHZ帯で、データ変調はQPSKである。


ITSスポット.jpg


DSRC-ITSスポット.jpg




路側機の立っている道路は、おもに高速道路、有料道路である。

国は、全国の高速道路、有料道路にこの路側機を整備していったのである。


車の中には、ITS車載器という、ふつうのカーオーディオやカーナビの車載器とは別筐体の特別の車載器が必要。でもいまは、おそらく小型化が進んで、ふつうの車載器の中に組み込まれて1-Boxスタイルになっていると思う。



車との双方向通信は、DSRC通信という無線通信を使うが、路側機でいったん受信したあとは、ふつうにインターネットで中央のサーバに送られ、そこで解析され、必要コンテンツの送信を、その車めがけて、おこなう。


路側機は、全国の高速道路、有料道路で、もうすでにここまで装備されている。


ITS スポット設置場所.jpg


関東エリアだけでもこれだけある。


関東編.jpg




それで、ITSでどんなことができるか、というと。。。

(以下国交省のITS推進室のプレゼン資料から拝借いたします。)


こういう道路交通情報システムの年表でいうと、いままでの技術の流れとしては、


ITS年表.jpg




カーナビ、VICS,ETC,そしてITSという感じで進んでいるのだ。



①道路や渋滞の画像が、車にいながらにして見られるようになり、安心して運転できるようになります


VICS.jpg


VICS-2.jpg



いまでいうところのVICSですね。VICSのロイヤリティは高いです!!!

我が社のモビィリティ分野で扱う膨大なロイヤリティの中でもダントツに高いです!



②旅行先などでも、車にいながらにして観光情報などが入手できるようになります


道の駅 SA.jpg


道の駅 SA-2.jpg




ITSシステムで、路側機とDSRC通信で双方向通信する場合は、高速道路走っているときに一定間隔で道路の路側側に立っている路側機と双方向通信を試みる場合と、高速道路の一定間隔に存在する道の駅とかSA/PAで、そこに備わっている路側機のところに車を停車させて、そこで、双方向通信をおこなって、下りのコンテンツをもらって、車載器のHDDなどの記憶装置にため込んで置く。そしてそれをあとで、欲しいときに、そのローカルストレージから見るというタイムシフトの双方向サービスの2通りがある。


この②のほうは、この後者である。


道の駅とか、SA(サービスエリア=ServiceArea)/PA(パーキングエリア=ParkingArea)というのは、高速道路でドライバーが疲れたときに寄る休憩所エリアである。そこにITSのコンテンツを受信できる路側機があるのだ。


そこで、たとえば、自分の居場所のGPS情報と自分の車の車載器の情報を送って、この近くのお勧めの観光地とかグルメ情報のコンテンツを希望したら、そのコンテンツがダウンロードされて、車載器のHDDに貯蓄される。


そして、それをタイムシフトで見た場合、たとえば、ディスプレイで観ていて、あ~ここいいな~、ここ美味しそうだな~と思ったら、そのままそれがナビと連携出来て、経路設定ができてしまうのだ。


そしてそのナビの経路通りに運転すれば、そのお勧め観光地、お勧めグルメの食事処にたどり着ける・・・そんなサービスである。



③高速道路や有料道路でしか使えなかったETCが、駐車場でも利用できます


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駐車場-2.jpg



入り口、出口のゲートのところにDSRC路側機があって、駐車場に入るときに、空いている駐車マスの情報提供をしたりとか、あと料金支払いを自動でカード(クレジットカード)で決済する仕組み。



④みえないカーブの先の渋滞がわかるようになり、追突事故などの危険性が減ります


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⑤ETC2.0プローブデータの収集・活用



ETC2.0では、車載器が「走行距離」「挙動履歴」を記録し、路側機との通信により国がプローブデータを収集。蓄積されたビッグデータを統計的に処理し、渋滞対策や交通安全対策、運行関連支援などのサービスに活用するものだ。


これはいまの時代にもっとも近い、コネクテッドカーになった時代、膨大なデータの統計解析にAIを使用し、そして自動運転、運転支援技術などに活用する。もっともいまの次世代のカーの時代に近いサービスだ。





だいたいこんなところが、自分の現役時代の頃のITSというとこんな感じのサービスだった。

いま見るとぜんぜん大したことないのだけれど(笑)、その当時は、双方向通信が不可能と言われていた車の世界で、このようにインタラクティブにできることはセンセーショナルだったのだ。


その双方向を実現するには、もう路側機が設置されてないとダメなのである。

その路側機の傍を車で通るか、そこで停車して受信してため込むか。


そういうやっととかさ、感覚があった。

ホームエンターティメントからやってきた自分は、洗練されてないな~(笑)とか、やっとこさ、だな~とか思ったけど、クルマの環境からこれは仕方がないことなんだな、と半ば諦めていたところがあった。


そしてITS出願から離れて、その後ウォッチしていなくて、スマホの登場で、もうITSは廃れたんだろう?と思っていたが、この日記を書くためにネットで調べてみたら、まだやってたんですね。(笑)



自動運転時代を見据えた次世代のITSの推進


国土交通省道路局道路交通管理課 ITS推進室のプレゼン資料を拝読させていただいた。


なるほど~ITSやってるんだな~、次世代に向けて進んでいるんだな~と驚いた。

ちょっと抜粋して紹介しよう。



次世代のITS(イメージ)


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①自動運転の支援~車載センサーで検知困難な箇所の支援

路側センサにより本線交通状況を検知し、合流するコネクテッドカーへ遅滞なく提供することで、スムーズな合流を支援。また路連携により、道路交通情報を収集し、先読み情報を高度化。


自動運転支援.jpg



②安全運転支援の高度化~交通状況データによる事故防止

・車両挙動に加え、ドライバーの属性に関するデータを連携するなど、データの取得トリガーを精緻に設定し、交通事故やヒヤリハット発生個所の高精度分析を実現。

・生活道路などを避けた経路誘導や、前方の安全情報に基づく速度制御など、車両と連携し安全運転支援を実現


安全運転支援.jpg



③関連施設との一体的マネジメント

・高精度な道路交通情報を活用し、トラックの運行管理やSA/PA駐車場の運用を高度化。

・駐車マスの有料化や事前予約の導入などにより、ドライバーの計画的な休憩を支援。


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④関連施設との一体的マネジメント

・ETCカード情報とフェリー、駐車場、バス料金などの利用状況を連携することで、多様な交通モード間にまたがる決済をETCで実現。

高速道路以外の多様決済.jpg





⑤GX(環境保全)への貢献~EV車などの普及

・EV充電料金のETC決済を実現。将来的には、走行中非接触給電による充電料金の決済も実現し、ノンストップでの航続距離を延伸。


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⑥次世代ITS開発の留意点~システムデザインの検討

・次世代ITSで実現を目指すサービスについて①アプリケーション、②データ、③通信の観点から検討を行い、車内外の共通基盤・路側機が具備すべき機能を整備。(アーキテクチャの検討)



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⑦次世代ITS開発の留意点~非コネクテッド車への対応~

・自動運転車はコネクテッド機能により、走行に必要な情報を収集・提供することで走行することが可能である一方で、ドライバー車とのコミュニケーション、ネゴシエーションが課題。

・自動運転車の普及には、相当の期間が予想される中、コネクテッド機能を持たないドライバー車について、後付けした車載器などによりドライバーと自動運転システムのコミュニケーションを可能とし、自動運転車に優しい走行環境を創出する必要。


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・・・う~む・・ITS推進室、国はちゃんと次世代カーの時代を考えているんですね。

でもITSを使うということは、ITSを使うことに拘るということは、路側機と、ITS車載器はこれからも必要なんですね。(笑)


路側機というのは、基本高速道路にしかないんですよね。いまは・・・

一般道路にはないものなのです。


これからのコネクテッドカー時代は、ネットには常に”常時接続”されていないといけない。

そして大容量のブロードバンドでないといけない。


そして道路の種別を選ばず、どこでもそれが実現できないといけない。


ITSのあとは、カーの世界では車載器のHeadUnitにスマホをつなげて、スマホの携帯ネットワークを利用して、双方向通信をおこなうようになりました。


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スマホの携帯基地局をそのまま使えるし、高速道路だけではなく、ふつうの一般道路でも使える。

ITSの路側機みたいに、カー専用に、改めて双方向の通信網を新設する必要がなくなりました。これでカーの世界の双方向サービスの実現もだいぶ敷居が低くなってきました。


でも4Gだとまだまだナローバンドすぎる。


5Gの時代到来で、動画像、音声などの高解像度な大容量なデータを、サクサク動かせて、やりとりできるようになり、こっちがコネクテッドカーの本命であることはもちろんである。でもやはりスマホがゲイトウエイなのでしょうか・・・


スマホがなくても、スマホ経由でなくても、そのままで車とサーバーとで双方向通信したいものです。1対1の通信をしたいものです。


来たるEV時代、そしてSDV革新で、カーの世界が100年に1度の大革命が生じたとき、その大前提として車のクラウドへの常時接続が必須になり、それ前提でないとソフトウエアによる機能アップグレードなどの更新もできない。


そういう意味でも、車の双方向サービスは、非常に大事なカギを握っているキーファクターと言っても過言ではないのです。


そして、これからのカービジネスを考えるときは、車単体ではなく、つねにクラウド側、サーバー側のビジネスパートナーを確保して、いっしょにビジネスを考えながら、やっていく、という連携の姿勢が必要になっていくのでしょう。


自動運転に必要なエッジコンピューティングとか、車のIoTであるテレマティックスサービスとか・・・です。


しかし、すでに枯れている、死んでいる技術と思っていたITSが、まさかつねに前を向いて新しい時代に向けて準備しているのはほんとうに驚きました。













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次世代モビリティに搭載するテクノロジー [モビリティ]

BMWの新シリーズのBMW i5のプロモーションフォトがめちゃくちゃカッコいい!


BMW Japanのプロモーションフォトというよりは、雑誌PENで


Sustainable 自然の循環に身を置くことで、クルマとの接し方が変わる~森にアトリエを置くアーティスト、諏訪綾子さんの記事なのです。



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これぞ!これからの新時代のカーという感じ。

やっぱり新世代のこれからのカーの車内空間はこういうセンスじゃないだとダメだよね。


やっぱりもういままでのカーオーディオ、カーナビ、ドライブレコーダとかのいままでの既定概念の延長線上で考えていたんじゃダメだと思う。


やはり自分なんかが驚くのは、ディスプレイの大きさだ。


ディスプレイには、いわゆるエンジン回転メーターとか、ガソリンメーターとかの車本来の機能メーターを司るディスプレイと、あと、カーオーディオ、カーナビのディスプレイがあると思うんだが、それが、もう一体化している感じだよね。見た感じだと。




BMW i5ってEVなんでしょ?


EV時代になると、もう車の中は全部ソフトウエア設計。もう車が電子化、コンピュータみたいになる。

SDV=Software Defined Vehicle。



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いままでは、駆動モータ、ランプ、ステアリング(ハンドルのこと)、電池、メーター、ブレーキとかいわゆる車のそれぞれの部分ごとにハードとソフトを組み合わせて、それの総合体で設計するのが車の設計だったのが、今後はパソコンやスマホみたいに車専用のOS(ビークルOS)があって、それによって、ハードとソフトを分離したい方向なのだそうだ。


車の中も、いよいよ我々が慣れ親しんでいるこのスタイルに変わっていくんですね。


これがカーの世界が100年に1度の大改革と言われている所以だ。


もうどこの車メーカーもみんなSDV化に向けてこういう大設計変更をやっている最中と言うことなのだろう。

こういうスタイルになれば、車の機能は、ネットワーク経由(OTA)でソフトウエアで更新していくことになる。


カーの世界って、インタラクティブな双方向な世界が苦手なんですよ。(笑) 車からクラウドへの上り回線が苦手なのです。ラジオとかテレビとかいわゆる降ってくる放送スタイルは受信が得意なのですが、1対1の双方向サービスが苦手。いまは車載機器にスマホをつなげてようやくなんとか実現している有様だけど、これではあまりに貧弱。


やはり5Gの時代が到来すれば、車の世界にも大きな影響を及ぼす。ブロードバンドな双方向サービスで”常時接続”ができるコネクテッドカーが我々の求める未来だ。


これが実現しないと、いくらEVでソフトウエアでできている車とは言ってもダウンロードできない。(笑)そういうことなんだろう。


5Gありきなんだな。


もうこういう時代になると、いままで通り、カーオーディオ、カーナビ、ドライブレコーダという商品形態が続くのかな、という気がする。かねてより、昔からずっと思っていたことなのだけど・・・


車の中は、もう”統合コックピット”の時代なんだろう。


上のめちゃくちゃカッコいいBMW i5の前からドンと見た写真。


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ここでひとつ気になるのは、ハンドルのところに車載機器や冷暖房機器などの操作ボタンがあることだ。

これはステアリングリモコン(ハンドルリモコン)といって、運転手が運転中に車載機器を操作するのが危険なので、ハンドルのところにその操作ボタンがついて操作しやすい、というものだ。


自分は知財部在籍時代に、このステアリングリモコンのアイデアの知財側の出願担当をやってましたよ。(笑)当時ステアリングリモコンは世の中に全然そんなアイデアがなくて、あっさり1発で特許査定になりました。(笑)まだ当時は、ぜんぜんメジャーじゃなかったんですね。


我が社のステアリングリモコンのアイデアは、写真のようなハンドルにハードボタンがついているのではなくて、ハンドルにセンサーを巻き付けてそのセンサーを運転中に指で触って操作する、というアイデアでした。


もうこれからの時代はステアリングリモコンもあたりまえの機能になっていくのでしょう。


もう”統合コックピット”の時代は、やはり機能はソフトウエアでできていて、クラウドからダウンロードしてアップデートしていくんですね、きっと。


アイデアは、もういろいろ出そうですが、会社に迷惑をかけてはいけないので、日記ではそういうアイデア出しはしません。


EVで業界初を走ったイーロンマスクのテスラは、こういうSDVの構造なのだそうだ。


ソニー・ホンダ モビリティの話題のAFEELAも間違いなくそうです!今月26日に日本で試作車(開発環境も公開するそうだ。)を一般公開するそうなので、とても楽しみにしています。


でも、そんなに慌てずにゆっくりやろうや・・・


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BMW 635CSi [モビリティ]

自分は車はやらない。若い頃はそれなりに憧れもしたけれど、そんなに強い気持ちでもなし。音楽やオーディオ、旅行で精いっぱいな人生です。幸いにも車がなければ生活に困るという状況でもない。


社会人になって上京したときに、会社寮に入る訳だが、そこにはたくさんの同期生がいるが、みんな1年目に車を買っていましたね。そして寮の前に路上駐車している訳です。誰がどういう車を乗っているか知っていたから、あっ、あいついるな、という感じ。


みんな当時の雑誌でカーセンサーを読んでいた。(いまもこの雑誌あるのかしら?)みんな車持っていたから、よく金あるな、と思っていました。


社会人になりたての頃なんて薄給で、若いうちなんて絶対お金なんて貯まんない。自分の興味はその頃から、ベストセラーモニターTVのプロフィールプロを買って、世に出始めたCDプレーヤーを買って、そしてED-βeta 4台買って(笑)、車より、そちらのほうが興味ありました。自分の世界はやはりこっちだ、と思ってました。こういう世界が好きでこの会社に入ったんだ、という気概があった。車じゃないよな、と思っていました。


運転免許は大学生の時に取ったので、いつでも運転できたが、なにせ車にお金をかける余裕がなかったです。上京してまずやったのが、レンタカーで運転を楽しむこと。


新宿駅東口にあったレンタカーで車を借りるのが常でした。そして都内を運転する訳です。当時はナビなんてなかったので、道路標識と自分の土地勘だけで、都内をグルグルでまた新宿に戻ってきた。


若いときって凄いです。いまじゃ絶対できないです。海外の運転でもそうでしたね。ナビのない時代だったので、外国語の標識と土地勘だけで運転していました。若いってほんとうに凄いよ。


そういう時期がかなり長かった。新宿駅東口のレンタカー通いは相当自分に鮮明な記憶あります。


そうすると、自分も人生の中で1回くらいは、自分の車を持ってもいいかな?と思える時期がやってくる。そうして、よし!車を買おう!と決断する。


車を買うというのは、オーディオ機器を買うのと違って相当ドキドキしますよ。


国産車の新車は高いし、中古車なんかいやだ。

どうせ買うんだったら、いい車に乗りたいと思う。


自分はベンツよりBMW派だった。やっぱりBMW乗りたいなー、欲しいなーと思うようになる。BMWはあの鼻っ面がいいですね。


もちろん新車なんて無理だけど、中古でどうしても欲しいBMWがあったのだ。

それも自分の財布で賄える範囲。


BMWの中でも最高に憧れていた。


カーセンサーでいつもチェックしていた。(笑)


それが、BMW 635CSi


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BMWに詳しい人だったら、この名車を知らない人などいないだろう。


「世界一美しいクーペ」


当時のBMWのフラッグシップクーペであり、「世界一美しいクーペ」と評され、今なお愛好家が多い。


BMWは3シリーズはちょっと幼い。5シリーズも当時若かった自分には、やはりちょっと幼い感じがして不満。7シリーズは高級すぎる!


6シリーズには、このどのシリーズにも持ち合わせていないスポーティーな格好よさがあった。


中古車で、100万~150万の価格帯で当時の中古車ディーラーで売られていた。社会人なりたての若造には、かなりキツイ金額だったが、頑張った。国産車の中古を何十万も出して買うぐらいだったら、これくらい投資してBMWの憧れの車に乗ったほうがいいと思っていた。


当時の寮は新百合ヶ丘にあったので、そこから自分が欲しい目をつけたBMW 635CSiがあったのが、辻堂のディーラーだった。何回も下見して通いましたよ。そこのディーラーのオヤジがちょっとやくざっぽくて怖かった。(笑)


それがこのホワイトの635CSi。

BMW 635CSi乗るなら、やっぱり色はホワイトがいいな、とずっと思っていた。


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今見ても格好いい!

駐車場は、寮の近くに取った。

自分が憧れていた635CSiに乗った気分。


もう最高!


でもなんか自分がBMWを乗っていること自体が、分不相応で怖い感じもしたり。。。なんか、自分がこんな車に乗ってていいのかな~いいのかな~その問答を繰り返していた。


それで結構ドライブしましたね。

友達を乗せて伊豆までドライブしたことを覚えている。


でも幸せはそんなに長くは続かなかった。

すぐに哀しい結末が・・・


新宿の靖国通りを運転しているときに、いきなり足元の車床がズドンと陥没する感じのトラブル。そこからの記憶がいまはないのだけれど、停車してJAFFとか呼んだのかな?


結局、辻堂のディーラーに持ち込まれた。

そしてそのやくざのオヤジから電話があって、「修理するには、〇〇万かかります。」


そりゃ無理だ。(号泣)


なけなしの貯金の100万をはたいて買ったのに、さらに何十万の修理代は無理。


泣くに泣けず、そのまま廃車というか、もういいです、とサジを投げた。


結局、半年から1年も経っていなかったのではないだろうか?


自分のマイカー人生は、それで終わってしまった。

それ以来自分の車を持つということは2度とない。


そりゃボロボロの中古だから、そんなトラブルが起こることも考えられるよね。

あのときほど、金をドブに捨てた感覚はなかったです。


やっぱり車を持つという事は車検などの維持費など本当に大変。

結局自分は人生の中で車検を通すという経験は1回もなかったです。(笑)


車がないと生活に困るわけではないので、もういまや自分は全然マイカーを持つことなど興味を持たなくなりました。


BMW 6シリーズは、やはり初代の635CSiが1番格好良い。


これが2代目以降になると、



第2世代(2003年-2011年)E63/E64


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第3世代(2011年-2019年)F12/F13/F06


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第4世代(2017年-)G32


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・・・となっていって、もうなんかもう自分とは遠い世界。車って、とくにBMWは、やっぱり鼻先のデザインが重要だと思います。いまのこの鼻先デザインだと、自分がBMWに抱いていた格好良さというのがこれっぽっちもなくなった感じ。この外観を見ても全然憧れる気持ちにならないです。



自分の人生の中で、いまだに第1世代の635CSiを超えるほど、熱くなるクルマには出会えないです。

この車が1番カッコいいと思ってます。

いまも変わらないです。

これからもずっとそうだと思います。


いまの車はほとんどAT車だと思うのだが、まだMT車ってあるんですかね?自分はやはり車はMT車でないといやだな。MT車が好きです。


運転免許証はMT車 with AT車ってやつです。


MT車は、あのギアチェンジ、そしてクラッチ、アクセル、ブレーキの3ペダル。これを駆使しながら運転するのが、車の運転の醍醐味のように感じているロートル世代なので、もし車買うならやはりMT車がイイな、と思います。(というかMT車、いまもあるんですかね?何度もすみませんが。。笑笑)


日本国内での運転歴、走行距離より、ヨーロッパでの運転歴、走行距離のほうがはるかに長くて、向こうでは、AT車を運転していました。向こうは車がないと生活できないので。


AT車は、確かに運転が楽だと感じますけどね。AT車が出始めた頃は、ペダルが2つしかないから、ブレーキのつもりが、間違ってアクセル踏んだ、とか、事故率が多くて社会的問題になっていましたね。


相当昔の話ですが、いまはそんな話はまったく聞かないので、完全に問題克服されている事象なんでしょうね。


欧州ではものすごい信じられないくらいの走行距離を運転したので、そうすると危ない危険なことにもたくさん遭遇することになる。BMW 635CSiに乗っているときに、首都高速も試しに運転してみたけど怖かったな~。どこで降りればいいかもよくわからなかった。標識に沿って、そのインターを降りる感じ。日本の首都高速は、いまでは怖くて運転できませんね。


自分の中ではもう車の運転はいいかな。車もいいかな。憧れなくなった。

いちばん思うのは、もし車の運転で、人身事故とかアクシデントを起こしてしまった場合、人生台無しになってしまうように思ってしまいます。そうすると自分の人生めちゃめちゃになっていっきに暗くなってしまう。一気に負の人生となってしまう。こういう方向だけは避けたい。


やはり車が必要な環境でもないなら、無理しない方がいい。

自分は車を運転しない方がいい。


そういう風に決心しました。


車を持っていると維持費とか大変ですしね。


というか、車自体にもう興味ないです。

もう車に憧れるような年齢でもないし、年齢的に枯れてしまって。(笑)


でもカービジネス、車載機器関連のビジネス、モビリティ・ビジネス、仕事に従事してひと筋で16年経ちました。

カー関係詳しいですよ。(笑)

車本体ではないですが。


EV、自動運転、安全運転支援技術、サイバーセキュリティ、AI、そして5Gのような車においてもインタラクティヴでブロードバンドな双方向サービスが可能になっていくコネクテッドカー、車のIoTであるテレマティック・サービス、個人認証技術、CASEの世界・・・そういう時代になっていくと、車の中はどうなるのか?よりエンターティメントな世界が広がるのか。車載機器ビジネスがどう変わっていくのか、もうこの時代になると、カーオーディオ、カーナビ、ドライブレコーダという概念・商品形態も変わっていったりして。。ユーザーが車載器を操作する、というUserInterfaceの概念も根本的に変わっていったりして。。。カーの世界、車の世界は、いまが100年に1度の大革命の時期と言われている。この新しい時代になると、車、そして車の中ってどうなっているのか、まったく予想できないAutomotive/Mobility Worldなのである。もう仕事領域になってしまいますが、すごいエキサイティングですよ。ワクワクしています。


これは昔から言われていることですが、じつはふだん音楽を聴いている時間というのは、家の中で腰を落ち着けて、というよりは、通勤の電車の中での携帯音楽再生とか、車の中の車載機器再生とか、じつはそっちのほうが1日の内で結構な時間を占めるので、カー内のオーディオ・クオリティはますます重要になっている時代です。車の中は第二のオーディオルームなんて言われています。車の音質クオリティ上げるには、スピーカーをなんとかしないといけませんね。


自分の中でいろいろ妄想してイメージしていたりします。個人的にも日々いろいろ情報集めしてます。これはもう本能です。仕方がないです。


車の運転は、もう卒業ということで、自分は車はもうやらないつもりですが、でも仕事でカービジネスは、これからもずっとやっていかないといけない。


なんか矛盾しているんですよね。


技術の仕事でいちばん大切なのは、自分がプライベートで使っていて、こういうことができればいいのにな~というのが基本です。そこが原点です。そこからアイデアが出る。そして、それはかなりの確率でキラーアイデアになります。そういうのが売れる商品になります。自分が欲しいと思う商品でないと売れないです。ただ上から命令されるアイデア、仕事はイマイチ、つまんないですね。自分的に乗れないのではないでしょうか。自分から乗って行かないと。


でも自分は車をやらないから、どこかで他人事なんですよね。それが自分のいちばんの問題だと思ってます。(笑)


この矛盾は、これからも続きそうです。(笑)


でも自分のキャリアの中で、ホームエンターティメントの領域だけでなく、カーエンターティメントのキャリアも積めたのは、結果論ですが、よかったと思っています。












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