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東京タワーの想い出 [放送技術]

電波塔としての役割は、墨田区の東京スカイツリーにその主役の座は譲ったとしても、いまだに東京のシンボル、東京観光のメッカとして人気の高い東京タワー。昭和、平成、令和と3つの時代に渡って東京を見守ってきた。
                                         
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地上デジタル放送の電波塔は、みんな東京スカイツリーに移りましたが、ラジオの電波塔はまだ東京タワーですね。AMラジオが停波するので、FMラジオだけは、まだ東京タワーの電波塔から送信されていると思います。
                    
自分は東京タワーというと、もう放送系の仕事、RF屋さんとしての技術者時代に記憶が遡る。自分にとって東京タワーというと放送としての電波塔なのだ。
                  
デジタル放送送信アンテナ・システムが東京スカイツリーに移る直前、東京タワーにあったときの電波塔機能。
                             
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アナログ放送からデジタル放送への移行という放送業界にとって100年に1度の大改革の時期。そのど真ん中で自分は仕事をさせてもらった。あれだけ興奮したことはなかったであろう。技術者冥利に尽きる、というものだ。
              
いまじゃもう誰も不思議に思わないデジタル放送。地デジ、衛星デジタル。
            
                         
技術開発のゴールというのは、まさに一般市民が誰も不思議に思わない、ごく当たり前のようにふつうに使う技術まで市民に浸透すること。そこが技術開発のゴールである。
                    
草創期・黎明期の頃に、最初に発表して、世間一般のみんなを驚かすだけではダメである。(笑)ここは、いわばイノベイター的な立ち位置で、とてもカッコいいポジションなので、誰もがやりたがる。でも普通の市民がなにも疑問を持たないくらい浸透させるフェーズになると、かなり地道な作業になっていくので、そうなると段々フェードアウトしていく人たち、企業が多いんですよね。(笑)
                      
それじゃあ、ダメなんだよね。確かに驚きは必要だけど、技術開発のゴールは、一般市民がなんの不思議も抱かずにあたりまえのように使用するようになる。ここがゴールだと思います。
                 
最初に出て、一般市民に浸透するまでには、登場したときから、その姿、形をどんどん変えていき、たぶん20年はかかる。同じく100年に1度の大革命と言われている、カービジネス、次世代モビリティの世界も、おそらく現時点から、どんどんその技術の形が変形していって最終段階のステージに落ち着くにはいまから20年以上はかかるんではないか。
                    
生成AI、Web3、NFTなどの騒がれている技術も、試行錯誤を重ねつつ、形を変えつつ、最終的な落ち着き場所に辿り着いて普及というフェーズに入っていく。
               
技術開発って、みんなそんなもんじゃないかな、と思う。
                         
でもそれに関わる技術者たちは、自分たちが関与している”いま”が最終ゴールと思っていつも仕事しているんだよね。自分がいまやっているのが、普及するための最終といつも思いながらやっている。そのとき、その”いま”に全力投球している。
                  
自分はビデオ事業部なので、ビデオデッキに搭載するデジタル放送受信部、つまりチューナーブロックの設計をしていた。
                     
放送という仕事は、送信があって、受信があるんですよね。
                                 
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放送局側でベースバンドの映像、音声、テキスト情報をIF UpConv/RF UpConv.して変調して電波として空に飛ばし送信する。それをご家庭のビデオデッキ(あるいはテレビ)のチューナー受信部で受信して逆の手順でベースバンドの映像、音声、テキスト情報の元に戻すのです。この反対の作業を復調といいます。我々がテレビで見ている映像、音声、テキスト情報は、もうベースバンド帯域 (ゼロ帯域)の信号なのです。
                
もちろん自分の趣味のオーディオはベースバンドでの世界でのお話です。
                                 
放送はもちろんいまのインターネット、あるいはDVD/Blu-ray/CDのような物理メディアでもそうですが、送信があって、そしてそれを受ける受信があり、その間の放送/通信経路(もちろん物理メディアの場合は記録メディア&物販経路になりますが。)を飛ばすためにデータを搬送波のキャリアに乗せて(誤り訂正含む)飛ばすために変調と言う作業をするのです。ベースバンドの信号をそのままでは飛ばせないのです。飛ばすためには、かならず変調
という物理層・伝送系の処理をその上に被せないとダメなのです。
                           
つまり、我々が家庭で見ているエンド端末での映像、音声、テキストはベースバンド(ゼロ帯域)の信号で、それをどこかに飛ばす、あるエリアに移動させる場合は、そのベースバンドのままでは飛ばせないので、変調、誤り訂正(物理系、伝送系処理)を施して、搬送波(キャリア)という、いわゆる乗り物に乗せて飛ばしてやるのです。
                                  
その移動の手段、移動のさせ方として、放送、インターネット、携帯モバイル通信(3G/4G/5G)、物理メディア(DVD/Blu-ray/CD)という運搬手段があるのです。その放送、インターネット、携帯モバイル通信、物理メディアという伝送手段の種類に応じて、それぞれ変調、誤り訂正の方法が存在するのです。伝送経路に応じて、それぞれに適した変調方式、誤り訂正方式が存在するということです。でももともとのエンド端末では、みんな同じベースバンド帯域(ゼロ帯域)の信号で共通なのです。ベースバンド帯域(ゼロ帯域)は上位層の処理、変調、誤り訂正(物理系、伝送系処理)は、下位層の処理と言われます。
               
画像圧縮、音声圧縮はこのベースバンド帯域(ゼロ帯域)の上位層の処理に属します。
                                           
たまたま、いまここでは放送という伝送経路で説明しているだけに過ぎません。インターネットや携帯モバイル通信(3G/4G/5G)、物理メディア(DVD/Blu-ray/CD)もまったく同様に、同じように説明できます。
                                            
                                                                                                       
自分にとって、東京タワーというと、大学時代の同期で、当時はフジテレビに勤めていた友人のことを思い出す。(彼ももう自分と同じ定年、還暦。その後、ずっとフジテレビで人生を全うしたのだろうか。セカンドキャリアの人生をどう過ごしているのであろうか?)
                          
テレビ局というとニュース、報道、制作陣、プロデューサー、ディレクターと華々しい世界を思い出す人も多いと思うが、その友人は電波の部署に配属された。自分と同じ理系だったので、テレビと言えばやはり電波。当然の配属だったのかもしれない。
              
                      
このアナログ放送からデジタル放送に移行する草創期・黎明期。自分はずいぶんこの友人の影響を受けた。いろいろ教えてもらったことが多かった。
                        
もちろん仕事としてではなく、上京したての頃は、よくその大学時代の友人とプライベートで会っていっしょに遊んだり(タイ料理を教えてくれたのも彼でした。)、ふだん電話(その当時は固定電話です!)をしあったりしていた仲だったので、その会話の中でお互いデジタル放送の仕事をしているので、そんな中の会話のキャッチボールで登場して学ぶことが多かった。
                     
自分はどうしてもテレビやビデオデッキに内蔵するチューナー受信部、いわゆる放送電波を受信してベースバンドの信号に戻すまでの受信部を設計するので、そこだけを知っていればいいという間違いに陥りやすい。
                           
なかなか放送局の送信側の勉強は怠りがちになりやすかった。でも放送は送信があって、そして受信がある。
                   
また社内でもそういう送信側を勉強するような人材パイプなどにも恵まれなかった。(もちろんそういう部署は放送局に関わるテレビ部門、放送局機材を開発する厚木ブランチにはあったと思いますが。)
                      
でも手っ取り早く自分の社外のプライベートな友人からその知識を得ることのほうが多かった。
                  
自分は受信側にいる人間で、友人は送信側にいる人間だったのである。
自分にないモノを持っている立場の人間で、Give & Take みたいな関係だった。
                            
地上波の伝搬の仕組みもその友人から教えてもらった。放送には地上波、ケーブル、衛星放送とあり、ケーブルはある限定エリアにケーブルを敷いてその中に放送電波を通すこと。衛星放送は、宇宙に打ち上げた衛星から日本全国に一瞬にしてビームを照射して電波を流すこと。
                   
ケーブルテレビは、いまは高層ビルが障害になっているとか、あるいは山間部などで、電波が受信しずらいところなどの難視聴地域のために、有線を敷くことでカバーすることで、放送を提供するというものです。
                     
地上波放送と衛星放送
                                  
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ケーブルテレビ
                                               
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そして地上波は、電波塔(送信所、親局)を立てて、そこから放射される電波を、中継局というのがたくさんあり、その中継局から中継局へと伝言ゲームで伝えていく。そういう伝言ゲームが地上波の仕組みになります。
             
図はマルチパス障害の図ですが、とりあえず地上波の仕組みを説明するにはいい図と思い採用しました。
                                     
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電波塔(送信所、親局)は、各地方ごとに自分の管轄エリアをカバーしている。たとえば東京タワーだったら首都圏エリア全般だし、名古屋テレビ塔だったら、愛知県エリア全般だし、さっぽろテレビ塔であれば北海道エリア全般というように。
             
そしてその各々の管轄エリアで、中継局が多数存在して、親局の電波を伝言ゲームでその中継局を通して伝えていって、そのエリアを広げていき、その地域全般の受信をカバーするのである。
                   
                                     
伝送するための電波はこれでわかったとして、じゃ、つぎにそこに流す番組コンテンツ、CMコンテンツは・・・
                  
テレビ放送局の番組コンテンツは、テレビ局が企画して、プロデューサー、ディレクターがいて、実際その番組コンテンツを制作しているのは、テレビ局が抱えている番組制作会社であろう。番組を実際作っているのは、この番組制作会社である。
                      
報道は違うと思う。報道は、放送局が全責任を負っていると推測する。
                                    
全国ネットの放送映像コンテンツ(番組コンテンツ)そのものは首都圏の放送局(在京キー局)から各地の地方局(地方ローカル局)に光ファイバーで送られる。そして間に挟むCMは地方ローカル版を挟むなど。もちろん地方ローカル局の番組コンテンツもある。それをチャンポンにしてMIXしてそうやって地方オリジナルの1日の完パケ(完全パケット)のストリームを造るのだ、地方ローカル局の場合は。
                   
地方ごとに電波塔があって、その電波塔が照射できるビームがある固定エリアでそれを中継局で伝言ゲームしていくのが地上波である。
                              
その電波塔で、首都圏全体に電波を照射するのが東京タワーの仕事である。
               
もちろんさっぽろテレビ塔や名古屋テレビ塔なんかもそうだ。それぞれ彼らのエリアを受け持つ。
                                   
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携帯電話・モバイル通信(3G/4G/5G)の通信システムも、この地上波システムに似ていますね。携帯電話も各エリアに基地局を立てていって、そこから携帯に電波を送り届けます。地上波との違いは、放送(一方向)か、通信(双方向)かの違いです。
                
そんな地上波の仕組みをそのフジテレビの友人はよく教えてくれた。自分はへ~そうだったのか!と目からウロコであった。
            
                
                              
デジタル放送というと、もう現在ではあまりにあたりまえ過ぎて、画質が綺麗としか思い起こす人はいないであろう。アナログ放送時代を知っている老人世代では、デジタル放送の登場は脅威であった。画質がもうメチャクチャ綺麗でいわゆるアナログの柔らかい画質と言うかフイルムカメラのようなしっとりした画質と違って、鮮明でクリアでかなりビビッドな画質に驚いたものだった。そして録画してもいっさい画質劣化がない。何世代ダビングを繰り返してもデジタルはいっさい画質が劣化しない。
                       
アナログ放送を録画するアナログビデオを開発していたとき、最初テレビ番組を録画させることを拒否したのだ、放送局側は。ビデオを開発していた家電メーカーは焦った。そこで必死に説得する。その折衷案が録画、コピーすると画質が劣化するということだった。これでテレビ番組をビデオに録画することを許された。放送局側を説得させることができた。
                       
でもデジタル放送時代になると、何世代、孫の世代までダビングを繰り返してもいっさい画質劣化しないのだ、デジタルというのは。だからコピー世代コントール(親から子は10回までダビング可。孫世代コピーは禁止)という折衷案で解決した。デジタルVTR/VDRが許されることになった。
                     
放送局の人というのは、基本、テレビ番組を録画させたくないのだ。自分たちが制作した著作権コンテンツだから。コピーされて勝手にそのコピー品が世の中に出回ってマネーも絡んで普及していく海賊ビジネス行為が耐えられないのだ。
                
ビデオ事業部は、そんなテレビ放送局の人たちとの交渉、闘いの歴史だったと言えた。
              
                
                             
放送はとりあえずこんな形でけじまったが、これからの時代、インターネット含め、著作権コンテンツはもうユーザーの手元、ローカルにコピーさせることは金輪際ないと思われる。権利者、著作権者にとって、自分の著作権コンテンツは、手元(サーバー)で管理したいのである。ユーザーへの複製を許すということは自分の管理の外に置いてしまうし、そのあとその複製コンテンツがどう扱われるか補償外だ。彼らはそれが心配なのだ。
                                 
これからの時代はストリーミング、サブスクの時代で、サーバーにあるコンテンツを手元で再生するのみ、という形で手元、ローカルには複製できない、が理想の解になるだろう。これからは録画不可能なオンデマンドサービスのみ。家庭用ビデオというのは、過去の経緯から暫定で残った遺跡みたいな存在になるだろう。(笑)
                    
ビデオというのはもともと放送局の一方的な時間割で流れるテレビ番組に対し、タイムシフトで観たいというニーズのために誕生した。でもいまや、タイムシフト視聴は、オンデマンド・サービスが代替えしている。
               
放送ならNHKオンデマンドや民放TVerで、もう充分ビデオの役割を果たしている。(コンテンツは期限付きだが)もう家庭用ビデオというスタイルは廃れるであろう。あぁぁ~オレの人生が・・・(笑)
                           
音楽配信もストリーミングが主流になり、ダウンロードはまだしばらく存在するかもだが、これも淘汰されて自然消滅に間違いない。
                 
著作権コンテンツは、もうオンデマンド・スタイルでゴールだと思われる。
                      
技術はどんどん姿・形を変えていき進化していくいい例だと思う。
               
               
              
                          
デジタル放送は画質が綺麗というイメージが先行するが、自分にとって、デジタル放送というとなんと言ってもSFN (Single Frequency Network)である。
                       
SFNには心底驚いた。そんなことができるのか!デジタル放送すげぇ~~~、である。
                
自分はデジタル放送というと、いちばんその特徴を思い出すのが、このSFNである。
                           
このSFNのこともそのフジテレビの友人から教えてもらった。
                                  
地上波の電波は、各地方にある電波塔(東京であれば東京タワー、名古屋であれば名古屋テレビ塔、札幌であればさっぽろテレビ塔)から中継局への伝言ゲームで伝えられていく、と述べたが、中継局で受信する周波数と逆にそれをさらに違う中継局に飛ばすための周波数は違うのが通例だった。もちろん受信と送信との周波数が隣接しているとお互い干渉してセパレーション(分離度)が悪くなるので、お互いをじゅうぶん離れた帯域に設定しないといけない。これを中継局の数だけ、受信の周波数と送信の周波数とでペアで帯域を占有しないといけなく、中継局の数だけ、もうどんどん帯域が埋まっていくという感じである。そしてついに帯域が足りなくなってしまうという状況にもなった。
                              
ところがデジタル放送の時代は、この中継局の送信、受信はどこでも1つの周波数、単一周波数で送信、受信できるようになった。まさにSingle Frequencyである。日本全国、どこでも単一周波数で伝言ゲームできるのだ。送信と受信で同じ周波数を使ってもお互い干渉しないのだ。
                                          
                     
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昔のアナログ放送は、NHKであれば首都圏と地方ではチャンネル数が違っていたりした。でもいまのデジタル放送では、日本全国どこでもNHKは、11と31のチャンネルである。たった一つの周波数で全国津々浦々送信・受信の伝言ゲームができるのだ。
                     
デジタル放送でなにが驚いたかというと、このSFNでしたな~、自分にとっては。
画質が綺麗ということより、断然SFNのことのほうが、はるかに驚きが大きかったし、RF屋さんとしては、デジタル放送すげぇぇえええ~~~である。このときほど、デジタル放送すげぇぇぇえええ~と思ったことはなかった。
                                         
このSFNのことを教えてくれたのもそのフジテレビの同期友人からだった。
おそらくビデオデッキのチューナー受信部を設計しているだけでは、永久に知らなかったであろう放送の送信側のシステム。
                 
やっぱり放送は、送信があって、受信がある、ということが大切である。これはインターネットや物理メディアでも同じ理屈ですよ。世の中の不偏の原理なのです。
                                
アナログ放送からデジタル放送へ移行するときは、まさにテレビ局にとっては死活問題。
家電メーカーより大変だったと思う。放送局の送信システム、中継局の受信・送信システムをアナログ機器からデジタル機器へ総入れ替えですから。予算も大変だったんじゃないかな。もうテレビ局だけのお財布じゃ無理で国家予算あげての全面協力だったように思う。
               
                                      
放送の世界では、技術革命は、かならず衛星放送から始まる、と言われています。放送のデジタル化もまず衛星放送で始まりました。4K/8Kのスーパーハイビジョン・高画質化もまず衛星放送からスタートします。
                         
理由は簡単。衛星放送の方が、送信設備を変更(アナログ機器→デジタル機器に置き換え)する場所が簡単で工数が少ないからです。宇宙の衛星へ電波を送る地上のでっかいパラボラアンテナ送信所のところだけを変更すればいいからです。
                         
これが地上波、ケーブルのデジタル化となると、各々の地域エリアの親局、そして中継局の受信・送信システムを全部総取り換えになるので、もう膨大な工数と費用が掛かります。
                           
放送の世界では、革命はかならず衛星放送から、が定石なのです。ヨーロッパやアメリカの放送もそうです。日本は地上波の国と言われていますが、世界で似たような放送システムの国はイギリスです。イギリスは地上波の国で、国の放送技術を開発する放送技研としても国営のBBCのBBC放送技術研究所があり、日本が地上波中心で、NHK放送技術研究所で国営のNHKが放送技術の開発をしているのと、あまりによく似ています。放送に関しては、日本とイギリスはそっくりなのです。
                 
アメリカ、ヨーロッパは、ケーブルテレビがやはり主流ですね。
                                    
そのフジテレビの友人は電波部門の所属だったから、このデジタル放送への移行期は、地方の中継局などに出張などですごく忙しかったように記憶している。
                 
東京タワーというと、自分はこのフジテレビの大学同期の友人を思い出す。
電波部門に所属していた友人は、週に1回、2回は、かならず東京タワーに泊りがけの徹夜勤務をしていたのだ。東京タワーのてっぺんには、各放送局の送信アンテナと送信設備があり、それを管理しているオフィスがあるのだ。
                            
NHK総合、NHK教育、日テレ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京。各放送局のアンテナ、送信設備があり、その管理オフィスがある。そこでトラブル、放送事故などなどがないかの見張り番である。
                         
もう30年以上前だから時効だと思うが、ここに入ったことありますよ。(笑)
我々RF屋さんの作業台にある測定器、SG関連が軒並みラックに入って並んでいるのには親近感を抱いたものだ。どこでも同じものを使っているんだな~と思いました。寝るベッドもありました。
                    
ネットでググってみたら、なんと!この東京タワーのフジテレビ送信システム局(TVデジタル放送電波送信設備)の写真ありました。(笑)
                   
そうです。ここです、ここです。
                            
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フジテレビの設備は、ところ狭しと置いてあった記憶があります。部屋はとても狭かったです。送信アンテナは、TBSと共用だそう。今では停波してしまったアナログ波の送信設備は5階にある。停止後は撤去するとのことで、今はもうないかもしれない。デジタル放送の設備は、東京スカイツリーでの送信が始まったら、予備として置いておくのだそうだ。
               
自分がこの部屋に入ったときは、デジタル放送がこれから始まるときだったので、アナログ放送の送信設備だったかもしれません。よく覚えておらず。。
                
                                 
いまは、この各局の送信アンテナ、送信所(エンコーダ類)は、デジタル放送に関しては、そして管理オフィスも全部、墨田区の東京スカイツリーに移ったんですね。でもスカイツリーにもしものことがあったときのために、予備として東京タワーのほうも残しているのかも?アナログの送信設備は撤去ですね。いま残って活動しているのはFMラジオ放送局だけです。
                    
自分にとって、東京タワーというところは、まさにテレビの電波塔そのもの、観光チックな一面はまったくなかった。仕事と直結していた。東京タワーというと仕事のイメージしかなかった。
                 
いままではホームエンターティメント時代の話。カーエンターティメントの時代も思い出がある。カーの時代になるとデジタル放送受信部は車載器の一部という位置づけで設計され、それを車に乗せて、車で運転しながら受信できるかどうかをチェックする。
                    
ホーム時代はFT(FieldTest)と言っていたが、カー時代では実走と言うことが多かった。実際車で走る、という意味合いからそういうのである。
                        
東京タワー周辺を走ると、このエリアは魔のエリアと言われ、なにせ電波塔の直下なので、電波強度がメチャクチャでかい。あまりに強電界で放送受信が落ちる、ということもままあったような気がする。
                   
AGC=Auto Gain Controlの設計が重要である。Tunerへ入力される前段には必ずAGC回路がある。(Tunerへの入力前のRF AGCとIFへの入力前のIF AGC) 強電界過ぎる場合はGainを落として、弱電界の場合はGainを上げて、つねにTuner/IF段への入力レベルを一定にする機能である。
                          
東京タワー周辺、東京タワー直下というのは、そんなAGC泣かせのエリアだったような・・・、そんな淡い記憶がある。もう昔過ぎて、よく覚えていないのですが。。。
             
もう自分にとって東京タワーは仕事だったのである。
遊びで東京タワーに行こうという気はさらさらなかった。
                        
東京タワーにはそんなイメージしかない。
                      
電波塔としての役割は、すでに東京スカイツリーに譲ってしまった東京タワー。
いまどうやって生計を立てているのかな、とふっと不思議に思った。
                 
ちょっとネットで調べてみたら、意外や自分の知らない東京タワーのことがたくさん知ることができてすごい新鮮だった。東京タワーのうんちくとか含め、そうだったのか~~~という感じである。
                        
なんか調べていく内に、そうして東京タワーのことをよく知ることができるようになって、なんか無性に東京タワーに行きたくなってしまって・・・(笑)
              
そしてついに実行!
東京タワーまで行ってきてしまいました。(笑)
                           
じつは伏線としては、いま東京タワーであの伝説の女優さん、高峰秀子さん生誕100年記念プロジェクトという展覧会が東京タワーで開催されていて、それを観に行きたいと思い、そうか~東京タワーか~・・・懐かしいな~と思い、東京タワーのことをネットで調べたらもう興奮モードに入ってしまったということでした。(笑)
                     
まず、自分がネットで調べたかったことは、電波塔としての役割を東京スカイツリーに譲ってしまった東京タワーっていまどうやってご飯を食べていっているのか、その収益源はなんなのか、そこを調べたかったのです。
                 
東京タワーは、基本的には、アンテナ賃貸料、店舗のテナント料や展望台の観光収入が主な収益になっているそうである。
              
つぎの日記で、東京タワーの歴史、そしてひさしぶりに東京タワーに行ってきたので、その体験レポートを書いていこうと思う。

         

                 

                

                      

                 

                         

                     

                           



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